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第19課 終わりの事件


 今日の世界は、激動をつづけながら一歩一歩歴史の終末に近づいています。人間の歴史の最後に起こる事件はキリストの再臨です。この世界の終末がきたとき、キリストを信じ、罪をゆるされて、永遠にほろびない神の国にいることを約束された者には、どんな経路を通って、その約束が実現するのでしょうか。また罪を悔い改めない者はその時どうなるのでしょうか。
 ヨハネの黙示録19章11節から21節までにキリスト再臨の光景がえがかれていますが、その次の20章1節からはサタンが千年間つながれることが書いてあります。この特別な千年という期間は聖書の中でこの場所だけにでていて、1節から7節までに6回のべられています。この期間は、聖書の中にはない言葉ですが千年期とよばれています。
 キリストの再臨につづくこの千年期は人間の歴史が終わってから、神の国が地上に実現するまでの中間にある期間です。このときどんなことが起こるかを、聖書の預言にしたがって学んでみたいと思います。あとに出ている図解をみながら、お読み下さい。


1.千年期の初めのできごと

 千年期の初めに起こる出来事は次のようなものです。

(1)キリストの再臨
 地上のすべての人に福音がのべつたえられたのち、キリストは再び地上にこられます。

(2)再臨まで生きている悪人の死
 テサロニケ人への第2の手紙2章8節「主イエスは口の息をもって殺し、来臨の輝きによって滅ぼすであろう」という言葉がありますが、キリスト再臨のとき悪人は、キリストの栄光の輝きによって滅ぼされます。すなわちキリストの救いにあずかって、神の保護を受けていない人びとはみな滅ぼされてしまうのです。預言者エレミヤは再臨の日の悪人の滅びを次のように描写しています。「その日、主に殺される人々は、地のこの果から、かの果に及ぶ。彼らは悲しまれず、集められず、また葬られずに、地のおもてに糞土となる」(エレミヤ書25章33節)

(3)死んだ義人の復活
 次に、人類最初の先祖であるアダムから、再臨の日までの間に死んだ義人が復活します。この義人というのは罪を悔い改め、キリストを信じて罪をゆるされた人です。
 聖書に「すなわち、主ご自身が天使のかしらの声と神のラッパの鳴り響くうちに、合図の声で、天から下ってこられる。その時、キリストにあって死んだ人々が、まず最初によみがえり」(テサロニケ人への第1の手紙4章16節)とあります。この人々について、「この第一の復活にあずかる者は、さいわいな者であり、また聖なる者である。この人たちに対しては、第二の死はなんの力もない」(ヨハネの黙示録20章6節)と言われています。第一の復活というのは義人の復活であり、第二の死というのは罪を悔い改めなかった人が千年期のあと最後にほろぼされることです。

(4)再臨まで生きている義人の栄化
 再臨の日まで生きている義人については、テサロニケ人への第1の手紙4章17節「それから生き残っているわたしたちが、彼らと共に雲に包まれて引き上げられ、空中で主に会い、こうして、いつも主と共にいるであろう」とあります。すなわち、キリストが再臨なさると死んだ義人がまず最初によみがえったのち、生きている義人は現在の朽ちるからだから、朽ちないからだにかえられるのです。これを栄化といいます。そして復活した義人とともに、天に上げられます。義人の復活と栄化の状態についてパウロは次のように説明しています。
 「わたしたちすべては、眠り続けるのではない。終りのラッパの響きと共に、またたく間に、一瞬にして変えられる。というのは、ラッパが響いて、死人は朽ちない者によみがえらされ、わたしたちは変えられるのである。なぜなら、この朽ちるものは必ず朽ちないものを着、この死ぬものは必ず死なないものを着ることになるからである。」(コリント人への第1の手紙15章51―53節)

(5)義人はキリストとともに昇天
 復活した義人と栄化された義人はキリストとともに天にのぼります(テサロニケ人への第1の手紙4章16、17節参照)。


2.千年期

 以上のベた一連のできごとが起こると千年期が始まります。千年期には次のことがみられます。

(1)悪人は死の眠りに入り、地上は荒廃する
 地上の荒廃を預言者エレミヤは次のように描写しました。「わたしは地を見たが、それは形がなく、またむなしかった。天をあおいだが、そこには光がなかった。わたしは山を見たが、みな震え、もろもろの丘は動いていた。わたしは見たが、人はひとりもおらず、・・・豊かな地は荒れ地となり、そのすべての町は、主の前に、その激しい怒りの前に、破壊されていた」(エレミヤ書4章23―26節)

(2)悪魔は閉じこめられる
 「またわたしが見ていると、ひとりの御使が、底知れぬ所のかぎと大きな鎖とを手に持って、天から降りてきた。彼は、悪魔でありサタンである龍、すなわち、かの年を経たへびを捕えて千年の間つなぎおき、そして、底知れぬ所に投げ込み、入口を閉じてその上に封印し、千年の期間が終るまで、諸国民を惑わすことがないようにしておいた。その後、しばらくの間だけ解放されることになっていた」(ヨハネの黙示録20章1―3節)
 底知れぬ所というのは荒廃した地上のことでもはや人間はいないので、悪魔は惑わす働きをすることもできなくなります。

(3)救われた者は天のすまいにはいる
 「あなたがたは、心を騒がせないがよい。神を信じ、またわたしを信じなさい。わたしの父の家には、すまいがたくさんある。もしなかったならば、わたしはそう言っておいたであろう。あなたがたのために、場所を用意しに行くのだから。そして、行って、場所の用意ができたならば、またきて、あなたがたをわたしのところに迎えよう。わたしのおる所にあなたがたもおらせるためである」(ヨハネによる福音書14章1節―3節)。救われた聖徒たちにはキリストのこの約束が実現するのです。

(4)悪人の審判
 千年期の間に悪人の審判が行われます。義人はキリストとともに悪人をさばくのです。それはヨハネの黙示録20章4節と6節に、「また見ていると、かず多くの座があり、その上に人々がすわっていた。そして、彼らにさばきの権が与えられていた」「彼らは神とキリストとの祭司となり、キリストと共に千年の間、支配する」とあることからわかります。また悪魔と悪天使たちも、キリストとその民によってさばかれます。「あなたがたは知らないのか、わたしたちは御使をさえさばく者である」(コリント人への第1の手紙6章3節)


3.千年期の終わりのできごと

 千年期の終わりには次のことが起こります。

(1)キリストと聖徒地上に降下
 千年期の終わりに、キリストは救われた人々とともに地上にかえられます(ゼカリヤ書14章4節、5節参照)。

(2)新エルサレム地上に降下
 新しい地球の首都となるべき新エルサレムが天よりくだって定められた場所におちつくと、キリストは、救われた人々とともに、この聖なる都におはいりになります(ヨハネの黙示録21章2節参照)。

(3)悪人の復活
 ここでキリストは死んでいたすべての悪人をその墓から呼び起こされます。キリストはかつて「悪をおこなった人々は、さばきを受けるためによみがえって、・・・・出てくる」(ヨハネによる福音書5章29節)といわれました。

(4)悪魔の解放
 「千年の期間が終ると、サタンはその獄から解放される」(ヨハネの黙示録20章7節)とありますが、悪人が復活したために、悪魔は再び惑わす相手ができて、悪を働く機会が与えられるのです。彼らは群衆を戦闘のために組織し、「聖徒たちの陣営と愛されていた都とを包囲」(ヨハネの黙示録20章9節)して、最後のはげしい攻撃を始めます。

(5)悪魔と悪人の永遠の死滅
 いつでも神にそむくのは愚かなことです。この戦いの結果について、「すると、天から火が下ってきて、彼らを焼き尽した。そして、彼らを惑わした悪魔は、火と硫黄との池に投げ込まれた」(ヨハネの黙示録20章9、10節)と予告してあります。
 これは第二の死(ヨハネの黙示録20章14節)と呼ばれていて、2度と生きかえることのない永遠の死です。


4.新しい世界の出現

 地球が天からの火で焼き清められ、罪悪の形跡が全くぬぐい去られたあとに新しい世界が出現します。ヨハネは「わたしはまた、新しい天と新しい地とを見た。先の天と地とは消え去り、海もなくなってしまった」(ヨハネの黙示録21章1節)と言い、キリストは「見よ、わたしはすべてのものを新たにする」(ヨハネの黙示録21章5節)と言われます。
 そのありさまをヨハネは神に示されて次のように書きました。
 「見よ、神の幕屋が人と共にあり、神が人と共に住み、人は神の民となり、神自ら人と共にいまして、人の目から涙を全くぬぐいとって下さる。もはや、死もなく、悲しみも、叫びも、痛みもない。先のものが、すでに過ぎ去ったからである」(ヨハネの黙示録21章3、4節)
 これは神があなたのためにそなえて下さるすばらしい世界です。罪がはいった現在の世界にはなやみや悲しみ、苦しみがあります。解決しなければならない問題が山積しています。しかし神は罪の問題を解決し、はじめに神が創造されたような理想的な世界にして下さるのです。
 人間の歴史は最後の時に近づいています。ペテロは「主の日は盗人のように襲って来る。その日には、天は大音響をたてて消え去り、天体は焼けくずれ、地とその上に造り出されたものも、みな焼きつくされるであろう」(ペテロの第2の手紙3章10節)といい、その時「神の約束に従って、義の住む新しい天と新しい地とを待ち望んでいる」(13節)者は「しみもなくきずもなく、安らかな心で、神のみまえに出られるように励みなさい」(14節)とすすめています。




第19課 復習問題


※問題をクリックすると解答が開きます。

答え: 悪人ーキリストの栄光の輝きによって滅ぼされる、義人ー栄化され天にあげられる

答え: 天においてキリストと共に悪人を裁く

答え: 荒廃した地上に閉じ込められる

答え: 死んだ義人の復活ー○、悪人の復活ー×、再臨まで生きている悪人の死―〇、悪魔と悪人の永遠の死滅ー×、キリストの再臨―○、義人キリストと共に昇天―○、サタンの解放―×、再臨まで生きている義人の栄化ー〇、新エルサレム地上に降下―×、キリストと聖徒地上に降下ー×

答え: 「見よ、神の幕屋が人と共にあり、神が人と共に住み、人は神の民となり、神自ら人と共にいまして、人の目から涙を全くぬぐいとって下さる。もはや、死もなく悲しみも、叫びも、痛みもない。先のものが、すでに、過ぎ去ったからである」(ヨハネの黙示録21章3、4節)。(4参照)

答え: 「しみもなくきずもなく、安らかな心で、神のみまえにでられるように励みなさい」(ペテロの第2の手紙3章14節)

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