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第25課 真のキリスト教会に対する戦い

世には多くのキリスト教派があります。混乱状態です。キリストはご自分の真の教会を持っておられるでしょうか。明確な解答を聖書に見出すことができます。黙示録12章にそれを見出すことができます。まず象徴を解読することから始めましょう。

1. だれが龍によって代表されていますか

「また、もう一つのしるしが天に現れた。見よ、大きな、赤い龍がいた。それに七つの頭と十の角とがあり、その頭に七つの冠をかぶっていた。この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たへびは、地に投げ落され、その使たちも、もろともに投げ落された。」黙示録12 : 3, 9

第7課で、罪悪の起源はサタンと呼ばれる悪魔であることを学びました。サタンは自分を現さないで、人間、また制度を通して働きます。ヨハネが幻を受けたときには、異教ローマがその器でした。

2. 女は何を象徴していますか

「また、大いなるしるしが天に現れた。ひとりの女が太陽を着て、足の下に月を踏み、その頭に十二の星の冠をかぶっていた。」黙示録12 : 1

3. 男の子は誰を象徴しますか

「龍は子を産もうとしている女の前に立ち、生れたなら、その子を食い尽そうとかまえていた。 女は男の子を産んだが、彼は鉄のつえをもってすべての国民を治めるべき者である。この子は、神のみもとに、その御座のところに、引き上げられた。」黙示録12:4, 5

生まれてから昇天まで、イエス・キリストはサタンの攻撃の的でした。すべての国民を治めるべきお方は、イエス・キリストです。(詩篇2 : 9)

4. キリストとサタンとの争闘はいつ始まりましたか

「さて、天では戦いが起った。ミカエルとその御使たちとが、龍と戦ったのである。龍もその使たちも応戦したが、勝てなかった。そして、もはや天には彼らのおる所がなくなった。」黙示録12 : 7, 8

天で始まったサタンの攻撃は、引き続いて、特に三つの舞台においてなされました。

1.キリストと初代教会に対して
2. 中世時代の教会に対して
3. 終末の教会に対して

5. 男の子―キリストに対する戦いはどのようになされましたか

黙示録12:4, 5参照

まず異教ローマの手下であった、ヘロデを通してキリストを殺そうとした。

「さて、ヘロデは博士たちにだまされたと知って、非常に立腹した。そして人々をつかわし、博士たちから確かめた時に基いて、ベツレヘムとその付近の地方とにいる二歳以下の男の子を、ことごとく殺した。」マタイ2 : 16

6. 初代教会に対する戦いはどのようになされましたか

「龍は、自分が地上に投げ落されたと知ると、男子を産んだ女を追いかけた。」12 : 13、6

異教ローマによって殉教した者の数は300万人以上と言われている。(注1)

7. 異教ローマが滅亡した後、どんな勢力を用いましたか

ローマ法王教。

「わたしはまた、一匹の獣が海から上って来るのを見た。それには角が十本、頭が七つあり、それらの角には十の冠があって、頭には神を汚す名がついていた。わたしの見たこの獣はひょうに似ており、その足はくまの足のようで、その口はししの口のようであった。龍は自分の力と位と大いなる権威とを、この獣に与えた。その頭の一つが、死ぬほどの傷を受けたが、その致命的な傷もなおってしまった。そこで、全地の人々は驚きおそれて、その獣に従い、また、龍がその権威を獣に与えたので、人々は龍を拝み、さらに、その獣を拝んで言った、「だれが、この獣に匹敵し得ようか。だれが、これと戦うことができようか」。この獣には、また、大言を吐き汚しごとを語る口が与えられ、四十二か月のあいだ活動する権威が与えられた。そこで、彼は口を開いて神を汚し、神の御名と、その幕屋、すなわち、天に住む者たちとを汚した。そして彼は、聖徒に戦いをいどんでこれに勝つことを許され、さらに、すべての部族、民族、国語、国民を支配する権威を与えられた。」黙示録13 : 1-7、(ダニエル7 : 21、8 : 10-13、11 : 31-35参照)

この期間は、法王至上権が確立された紀元538年から法王権失墜の1798年までである。この間、ローマ法王権によって殉教した数は5, 000万は下らないと言われている。(注1、注2)

8. 暗黒時代の期間、女はどこに逃れますか

「しかし、女は自分の場所である荒野に飛んで行くために、大きなわしの二つの翼を与えられた。そしてそこでへびからのがれて、一年、二年、また、半年の間、養われることになっていた。へびは女の後に水を川のように、口から吐き出して、女をおし流そうとした。しかし、地は女を助けた。すなわち、地はその口を開いて、龍が口から吐き出した川を飲みほした。」黙示録12 : 14

「荒野」「地は女を助けた」

純粋な信仰を保っていた教会は、ヨーロッパの山々、荒野に追われて行きました。また、信仰の自由を求めてプロテスタント(新教徒)は、ヨーロッパからメイフラワー号で新大陸アメリカに移住しました。

「水」は多くの人が住んでいるところを象徴します。(黙示録17 : 15)それとは反対に「地」という場合は、人があまり住んでいないところを意味します。ここでは、新大陸アメリカをさしています。

ヨーロッパを支配したローマ法王権の失墜で長い暗黒時代はついに終わります。その後に終末の真の教会が姿を現します。

9. アメリカに逃れてきた女、真の教会は何と呼ばれていますか

「龍は、女に対して怒りを発し、女の残りの子ら、すなわち、神の戒めを守り、イエスのあかしを持っている者たちに対して、戦いをいどむために、出て行った。」黙示録12 : 17

「残り」という言葉は、反物の、1メートルまたは、2メートルの「残りの布」最後に残るものという意味です。つまり、真の教会の最後の教会という意味です。

10. では、終末時代の真の教会の三つの特徴は何ですか

1.「女の残りの子ら」ですから、教理、特質、目的において初代教会と同じということです。

宗教改革は、中世時代に完成しませんでした。徐々に一つずつ純粋な真理を回復するのでした。そして終わりの時代に全部回復されるのです。最後の教会は、初代教会の教理を一つでなく、すべて教えます:

たとえば、伝統、組織、法王、学者、神父、牧師でなく、聖書のみを唯一の権威とする。行いでなく、信仰による義。字義通りのキリストの再臨。日曜日でなく、第七日目安息日。一日を日没から日没とする。バプテスマは滴礼でなく、浸礼のバプテスマ。什一と諸献金。洗足、聖餐式。人は死んだらすぐ天国へ行ったり、地獄へ行ったり、煉獄へ行ったりするのでなく、キリスト再臨まで無意識の眠りにつくこと。体は神の宮である故に神の栄光のために体を最善の状態に保つこと(健康改革)等々...

2.神の戒め全部を守ります。

十戒の第二条を削除して、第九条を二つに分けて十戒とする教会もあります。第四条の安息日を週の第一日、太陽の日を主の日として礼拝する教会もあります。

イエスは、「わたしが律法や預言者を廃するためにきた、と思ってはならない。廃するためではなく、成就するためにきたのである。よく言っておく。天地が滅び行くまでは、律法の一点、一画もすたることはなく、ことごとく全うされるのである。それだから、これらの最も小さいいましめの一つでも破り、またそうするように人に教えたりする者は、天国で最も小さい者と呼ばれるであろう。しかし、これをおこないまたそう教える者は、天国で大いなる者と呼ばれるであろう。」(マタイ5 : 17-19)と言われました。

3.「イエスのあかし」を持っています。

「イエスのあかし」とは何ですか。

「イエスのあかしは、すなわち預言の霊である。」黙示録19 : 10下句

イエスのあかし=預言の霊

11.「イエスのあかし」すなわち「預言の霊」は誰に働きますか

「この救については、あなたがたに対する恵みのことを預言した預言者たちも、たずね求め、かつ、つぶさに調べた。彼らは、自分たちのうちにいますキリストの霊が、キリストの苦難とそれに続く栄光とを、あらかじめあかしした時、それは、いつの時、どんな場合をさしたのかを、調べたのである。」ペテロ第一1 : 10

預言者たちにキリストの霊が働いて、キリストのことをあかししたので、「イエスのあかし」、また「預言の霊」と言われているのです。

12. 預言者を通して人々に神のみ心を伝えるのが伝達の方法ですか

旧約時代
「あなたがたは、いま、わたしの言葉を聞きなさい。あなたがたのうちに、もし、預言者があるならば、主なるわたしは幻をもって、これにわたしを知らせ、また夢をもって、これと語るであろう。」民数記12 : 6 (出4 : 15, 16、7 : 1, 2、アモス3 : 7、ヘブル1 : 1、ホセア12 : 10)

新約時代
「イエス・キリストの黙示。この黙示は、神が、すぐにも起るべきことをその僕たちに示すためキリストに与え、そして、キリストが、御使をつかわして、僕ヨハネに伝えられたものである。」黙示録1 : 1 (使徒13 : 1、11 : 27,28、21 : 9-11、コリント第一12 : 10、エペソ4 : 8-11)

つまり、聖書全体が「預言の賜物」「預言の霊」の産物というわけです。

聖書はすべてイエスについてあかしするものです。

「あなたがたは、聖書の中に永遠の命があると思って調べているが、この聖書は、わたしについてあかしをするものである。」ヨハネ5 : 39 (ルカ14 : 44)

13. 最後の混乱の時代に神は、教会を導くために「預言の賜物」「預言の霊」「イエスのあかし」をお与えになりますか

「龍は、女に対して怒りを発し、女の残りの子ら、すなわち、神の戒めを守り、イエスのあかしを持っている者たちに対して、戦いをいどむために、出て行った。」黙示録12 : 17

「そこで、わたしは彼の足もとにひれ伏して、彼を拝そうとした。すると、彼は言った、「そのようなことをしてはいけない。わたしは、あなたと同じ僕仲間であり、またイエスのあかしびとであるあなたの兄弟たちと同じ僕仲間である。ただ神だけを拝しなさい。イエスのあかしは、すなわち預言の霊である。」黙示録19 : 10

「その後わたしはわが霊をすべての肉なる者に注ぐ。あなたがたのむすこ、娘は預言をし、あなたがたの老人たちは夢を見、あなたがたの若者たちは幻を見る。その日わたしはまたわが霊をしもべ、はしために注ぐ。」ヨエル2 : 28-32(エペソ4 : 8-15、箴言29 : 18)

14. 真の預言者か偽物かをどのように見分けることができますか

1.聖書全体の教えと一致しているか。

「ただ律法とあかしとに求めよ。もし彼らがこの言葉に従って語らなければ、それは彼らの内に光がないからである。」(欽定訳)イザヤ8 : 20

2.その生活は聖書の教えに一致しているか。

「にせ預言者を警戒せよ。彼らは、羊の衣を着てあなたがたのところに来るが、その内側は強欲なおおかみである。あなたがたは、その実によって彼らを見わけるであろう。茨からぶどうを、あざみからいちじくを集める者があろうか。そのように、すべて良い木は良い実を結び、悪い木は悪い実を結ぶ。良い木が悪い実をならせることはないし、悪い木が良い実をならせることはできない。良い実を結ばない木はことごとく切られて、火の中に投げ込まれる。このように、あなたがたはその実によって彼らを見わけるのである。」マタイ7 : 15

3.その預言は実現するか。

「ただし預言者が、わたしが語れと命じないことを、わたしの名によってほしいままに語り、あるいは他の神々の名によって語るならば、その預言者は殺さなければならない』。あなたは心のうちに『われわれは、その言葉が主の言われたものでないと、どうして知り得ようか』と言うであろう。もし預言者があって、主の名によって語っても、その言葉が成就せず、またその事が起らない時は、それは主が語られた言葉ではなく、その預言者がほしいままに語ったのである。その預言者を恐れるに及ばない。」申命18 : 20

15. 私たちにどんな警告が与えられていますか

「御霊を消してはいけない。預言を軽んじてはならない。すべてのものを識別して、良いものを守り、あらゆる種類の悪から遠ざかりなさい。」テサロニケ第一5 : 19-22

注釈

【注1】
「我々は今、キリスト教時代の教会史にざっと目を通してきたわけである。最初の2、3世紀の間、サタンは初代教会を迫害する手段として異教ローマを利用した。しかしローマの権力が失墜して、紀元5世紀の間に10の国に分裂すると、サタンは教会に対する争闘を続けるためにもう一つの組織、すなわち、これらの王国に対して権力を持ち、その権力を通して世界のあらゆる所にある教会に、サタンの怒りを感じさせることができるような組織を起こさなければならなくなった。この目的は法王の組織を通して果たすことができた。というのは法王ローマは異教の椅子に座りながら、サタンの仕事を指導することができたからである。このためヨーロッパ全土は、千年以上の間、全くの墓場と化してしまった。イエスの殉教者たちの血は、いたるところで惜しげもなく流された。悪人や悪魔が発明し得るあらゆる種類の残酷な拷問道具が、殉教者たちを迫害するために持ってこられた。しかし預言者は、『兄弟たちは、小羊の血と彼らのあかしの言葉とによって、彼らにうち勝ち、死に至るまでもそのいのちを惜しまなかった』(黙示録12 : 11)と言っている」Bible Foot lights, p. 203.

【注2】
「この獣の頭が、傷を受けたのは、1798年にフランスがローマに侵入して法王を捕え、一時、法王教が滅びてしまったように思われた時である。しかし1800年に、他の法王が立ち、死ぬほどの傷が癒えはじめた。1870年に法王教から政治的な支配権が剥奪されたが、それにもかかわらず、各国間におけるその勢力と影響は増大してきている。グィネス氏は『ローマ法王教と宗教改革』と題する本の156ページに、『ローマ法王はその年、望みうる最高の、しかも揺るぐことのない地位を得た』と言っている。法王教は、最後に各国間に勢力を持つ地位に到達することになっている。そして完全に倒され滅ぼされる直前に、『わたしは女王の位についている者であって、やもめではないのだから、悲しみを知らない』(黙示録18 : 7)と放言する(イザヤ47 : 7-15;黙示録17 : 18参照)」Bible Readings for the Home, p. 270.

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